エーラス・ダンロス症候群(EDS)の人たちには、結合組織(皮膚、筋肉、靭帯のような、多くの体のパーツを保持する組織)に遺伝的欠陥があります。 EDSの患者で見つかった脆弱な皮膚や不安定な関節は、コラーゲンに障害があるか、ある一定の量のコラーゲンが減少した結果です。 コラーゲンとは、結合組織に強度と弾力性を追加して、体内で「接着剤」として機能するタンパク質です。
EDSとは、関節の過可動性、皮膚の過伸展、組織の脆弱性などの特徴を持った、遺伝性の結合組織の多様な病気の一群です。EDSには6つの主要な型があります。異なる型のEDSは、それぞれの症状や特徴によって分類されています。EDSのそれぞれの型は家族において「確実に遺伝する」別の病気です。 これは、血管型EDSの人は古典型EDSの子供を持たないということを意味します。
EDSの症状は、どのようなものですか?
EDSの臨床症状は、ほとんどの場合、関節、皮膚に関連しているとされています。
関節症状
関節過可動性、脱臼や亜脱臼を起こしやすい緩い不安定な関節、関節痛、過伸展関節(関節の通常の可動域を超えて動きます)、 骨関節炎の早期発症。
皮膚症状
柔らかいビロード状の皮膚、変異性の皮膚の過伸展、裂けたり簡単にあざのできる脆弱な皮膚(あざは酷いものになりやすい)、重度の瘢痕、遅く貧弱な創傷治癒、 擬軟体動物の擬似腫瘍の発生(強い力のかかる部位の傷に関連した肉質病変)。
種々雑多な症状/まれな症状
慢性の早期発症する筋骨格を衰弱させる痛み(通常は関節可動亢進型に関連付けられています)、 動脈/腸/子宮の脆弱性や破裂(通常は血管型に関連付けられています)、先天性脊柱側弯症と強膜の脆弱性 (後側弯型に関連付けられています)、筋緊張の低下(多発性関節弛緩型に関連付けられています)、僧帽弁逸脱、 歯周病。
EDSのそれぞれの型は、コラーゲンのいずれか一つの型の合成または使用による、個別の問題として定義されています。コラーゲンは、体が組織に、強度と弾力性を提供するために使用するものです。通常のコラーゲンは、組織が伸展するのを妨げませんが、その限界を超えて伸展することを許さないし、そのようなときは組織を通常の状態に安全に戻す、強力なタンパク質です。 コラーゲンは体全体に存在し、EDSはその構造的な問題を抱えています。例えると、ある人が、良くない材料や、安い釘、必要とされる半分の木材で家を建てた場合、多分、問題が発生します。いくつかの問題は他のものよりも現れる可能性が高くなりますが、不良または欠落している材料はどこにでもあるし、必ずしも目に見えるものとは限らないので、いくつかの問題が発生した場合には、人は驚かされます。
それはEDSとコラーゲンとの関係に非常によく似ています。EDSの人が合成するコラーゲンは、それがあるべき本来の形に構成されていないし、または一部のみが正常に産生されます。ひどい構築、または過程を経たコラーゲンに依存している組織は、正常範囲を超えて過度に伸ばされることがあるので、そのような場合にはダメージを受けます。コラーゲンは体内にある最も豊富なタンパク質であり、コラーゲンの多くの型は、ほとんどどこにでも(皮膚、筋肉、腱や靭帯、血管、臓器、歯肉、目など)見つけることができます。
自分の体から、不確実に振る舞う、タンパク質を構築することから生じる問題は、重大さの広い範囲で、広く普及しています。EDSとの基本的な関係が認識されるまでは、無関係なように思える場所に見られるでしょう。
EDSおける型とは何ですか?
EDSには6つの定義された型、および、若干数のEDSとして同定されていますが、現在の学説から外れている変異があります。 EDSの主要な型は明らかな徴候や症状に応じて分類されています。EDSのそれぞれの型は家族において「確実に遺伝する」別の病気です。血管型EDSの人は古典型EDSの子供を持ちません。EDSの異なる型についてもっと学ぶ。
EDSはどのように診断されますか?
1997年に、ヴィルフランシュ国際会議で、EDSの型を現在の6つの主要な型に洗練した疾病分類リストが著されました。それぞれの型には、主要な診断基準とマイナーな診断基準の一定の形式があります。EDSの伝統的な診断は家族歴と診断基準を評価するための臨床評価で構成されています。遺伝子検査は、EDSのほとんどの型で利用できますが、最も一般的な型である、関節可動亢進型では利用できません。検査は精度が異なります。 ほとんどの場合、遺伝子検査は、EDSの可能性を除外する為にではなく、EDSの型の診断を確認するために、控えめに使用されるべきです。EDS疾病分類リストと、どのようにEDSと診断されるかについて学ぶ場合はこちらをご覧ください。
EDSはどのように普及しているのですか?
現時点では、EDSの研究の統計情報は、2500人から5000人に1人の有病率を示しています。 最近の臨床経験は、EDSがより一般的であることを示唆しています。 この病気はすべての人種や民族的背景の男性と女性の両方に影響を及ぼすことが知られています。
EDSはどのように遺伝しますか?
2つの既知の遺伝形式(常染色体優性遺伝と常染色体劣性遺伝)が、EDSを形成します。遺伝形式に関わりなく、私たちには、私たちの子供たちにどの遺伝子を渡すか、選択の余地はありません。
EDS患者の予後はどうなのですか?
予後は、EDSの型と患者の体質によって異なります。平均寿命は、血管型EDSの患者にとっては、臓器や血管の破裂が当然のように起こる可能性があるので短かくなります。平均寿命は、通常、他の型の患者は影響を受けません。それらの重症度は、家族内において範囲が広かったり狭かったりしますが、それぞれのEDS患者の場合は、独特のものになります。EDSの治療法はありませんが、症状については治療法があり、ほとんどの役に立つ予防措置があります。
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