オーバードライブ

 

 

真空管アンプをゲインアップして行ったときのあのサウンドを実現!

歪みの控えめにしてカッティングサウンドに。深く歪ませてリードソロにといろいろ活躍する1台です。

回路の説明

 

回路図 

まず、ギターの信号はC1で直流成分をカットしQ1(FET)によって約2倍に増幅します。このFET回路は入力インピーダンスが高いのでバッファー回路としての役目も果たしています。

次に、心臓部の4007へC4,R6を通り信号が送られます。

CMOS    反転増幅

4007の内部構造は、上図の様にNチャネルとPチャネルのMOS-FETがセットになって接続されています。これをCMOSと呼びます。この回路は、ちょうどオペアンプの反転増幅回路(上図右)と同様にかんがえることができ、又ギターアンプなどのパワーアンプ出力回路とほぼ同じ構成をしています。また、MOS-FETは真空管の特性に類似しているため、真空管アンプをドライブしたようなナチュラルなサウンドを得る事ができます。

CMOS1段では大きなゲインを得る事が出来ないので、これを3段組み合わせることによってより強い歪みを得る事ができます。ゲインのコントロールは、VR1で負帰還量をコントロールすることによって行い、C6のコンデンサに流れる電流量をコントロールするVR2によってToneコントロール回路としています。このTone回路は最も単純な回路で効きがいまいちですが、自然なトーン感がありお勧めです。最後に、C7で直流成分をカットし、VR3で音量調整して出力されます。

FET(2SK30-ATM)とIC(4007)のピン配置は下図のとおりです。

 

2SK30ATM     4007


好みのサウンドに変えるには・・

 

回路の定数などを変えるといろんな音に変化します。これが自作の醍醐味! 世界に1つの自分だけのオーバードライブを作ってください。

もっと歪ませたい。

R5を小さくしてください。例えば、10K,4.7Kです。これは、初段にFET増幅のゲインを上げる目的です。あまり上げすぎるとFET内部で歪みが発生しますのでギターの出力を加味して調整してください。

音低音が暴れる。

低音が暴れる場合には、C4を小さくすると落ち着きが出ます。

0.0022μ〜0.01μFの間で試してください。

あまり小さくすると線が細くなりますので注意してください。

高域音の調整。

C5を大きく(0.0047μF等)にすると、高域が落ち着きしっとりした音に、逆に小さく(100pF)にすると、艶のあるきらびやかなサウンドになります。

大きくすると腰のあるサウンドになります。

音を柔らかくしたい。

C6を大きくしてください。0.1μ〜0.022μFにするとファットなサウンドになります。


部品表

種 類

部品番号

値 又は 型番

備 考

IC

U1

4007

1

DIP14ピン 

TC4007BP(東芝)など

ICソケット

 

 

1

DIP14ピン

トランジスタ

Q1

2SK30ATM-GR

1

J-FET

ダイオード

D1

1SR139-400

1

1A程度の整流ダイオード

LED

D2

 

1

お好みで!

抵抗器

 R6 R10

 100kΩ

 2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

 R1 R4

 10kΩ

2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

 R2

 1MΩ

 1

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R9

 2.2

 1

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R7

220kΩ

1

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R3 R5

22kΩ

2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R11

4.7kΩ

1

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R8

470kΩ

1

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

コンデンサ

 C5

 0.001μF

1

フイルムコンデンサ

コンデンサ

 C1

 0.01μF

1

フイルムコンデンサ

コンデンサ

 C4 C6

 0.047μF

 2

フイルムコンデンサ

コンデンサ

 C2

 100μF/25V

 1

アルミ電解コンデンサ

コンデンサ

 C3 C7

 4.7μF/25V

 2

タンタル電解コンデンサ

標準ジャック

J1

3極ステレオタイプ

1

6.3Φ

標準ジャック

J3

2極モノラルタイプ

1

6.3Φ

スイッチ

SW

DS-008 6P

1

フットスイッチ

DCジャック

J2

 

1

2.1Φ

電池スナップ

V1

OO6Pタイプ

1

 

可変抵抗器

VR1

50KΩ(A)

1

DRIVE用

可変抵抗器

VR2 VR3

10kΩ(A)

2

Tone Volume用

つまみ

 

 

2

お好みで!

基板

2.54ピッチのユニバーサル基板をお勧めします。

ケース

ノイズ削減と加工性からアルミ製のケースをお勧めいたします。


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