Q-トリッパー

弾く強さによってフィルター特性が変化するエンベロープフィルタ。

いわゆるワウワウサウンドです。

sub_phaser_html_smartbutton1.gifキットあります。


回路の説明

 

回路図 

まず、入力信号は、Q1のソースフォロア回路でインピーダンスを下げます。次に、ブリッジド-Tと呼ばれるバンドパスフィルタ回路に入ります。このバンドパスフィルタ(BPF)は、特定の周波数だけを取り出す働きがあり、その取り出す周波数が変化すると、あの独特のワウサウンドが生まれる訳です。
BPFの中心周波数を変化させるには、C5,C6の間とGND間の抵抗値によって変化します。そこで、その抵抗器の代わりに、JFET(Q2)を可変抵抗器として使うことにします。
JFETは、ゲートの電圧によって抵抗値が変化する素子ですので、エンベロープ電圧によってゲート電圧を制御すれば、オートワウになる訳です。

このブリッジド-T回路、ちょっと工夫して、反転入力端子に信号を入れるとQが鋭いローパスフィルタ(LPF)になります。
入力信号をBPFにうまく分割して入れると様々なワウサウンドが得られます。分割はVR1でバランスを取ります。その様子が右図です。低音部の変化の違いに注目してください。
VR2は、どのくらいの信号の強さで変化するかを調整する目的です。
VR3は、JFETへの直流バイアスを調整します。Q2の動作点のバランスが調整出来るので、エグい〜スムースまで幅広いワウサウンドを得ることができます。


好みのサウンドに変えるには・・

 

回路の定数などを変えるといろんな音に変化します。これが自作の醍醐味! 世界に1つの自分だけのQ-トリッパーを作ってください。

・反応の速さを調整。
アタック感は、R14でコントロールできます。小さくすると素早く反応します。大きくすると反応が遅くなります。100Ω〜100kΩの範囲で試してください。
リリースは、R16で決まります。大きくすると減衰時、ゆっくりとなります。1KΩ〜100kΩの範囲で試してください。

・エグさの調整。
C4は、ワウで耳障りになる高音域を取り除く働きがあります。大きくすると柔らかく、小さくするとシャープでエグい感じになります。
0uF(取り外す)〜0.01uF 程度でお試しください。

・中心周波数を変える。
ワウの中心周波数は、C5、C6によって変化します。大きくすると、低い周波数に移動します。小さくすると高い周波数に移動します。
基本的には、C5=C6としてください。0.047uF〜0.001uFの範囲で試してください。

・ローノイズ化する。
現状でも十分にローノイズですが、さらにノイズを減らしたい、プロ志向の方は、オペアンプを、「NE5532」、「NJM4580」

に変えると多少ノイズが減少します。

 



部品表

種 類

部品番号

値 又は 型番

備 考

IC

U1

NJM4558D

1

DIP8ピン 汎用ディユアルOpAmp4558ならOK!

ICソケット

 

 

1

DIP8ピン

トランジスタ

Q1, Q2

2SK30ATM-GR

2

汎用JFET

ダイオード

D1, D2

1S2076A

2

1S1588等の汎用ダイオードでもOK!

ダイオード

D4

1N4007

1

1A程度の整流ダイオード

LED

D3

 

1

お好みで!

抵抗器

R1, R14, R15, R17

1kΩ

4

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R2, R6, R12, R18

4.7kΩ

4

 1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R19, R20

10kΩ

2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R3, R9, R16

22kΩ

3

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R10, R13

47kΩ

2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R4, R7, R8

470kΩ

3

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

抵抗器

R5, R11

1MΩ

2

1/8W〜1/4Wカーボン抵抗

コンデンサ

C4, C7

0.001μF

2

フイルムコンデンサ

コンデンサ

C5, C6

0.0047μF

2

フイルムコンデンサ

コンデンサ

C1

0.047μF

1

フイルムコンデンサ

コンデンサ

C8

0.1μF

1

フイルムコンデンサ

コンデンサ

C2, C3, C11

1μF

3

アルミ電解コンデンサ

コンデンサ

C9, C10

10μF

2

アルミ電解コンデンサ

コンデンサ

C12, C13

100μF

2

アルミ電解コンデンサ

標準ジャック

J1

3極ステレオタイプ

1

6.3Φ

標準ジャック

J3

2極モノラルタイプ

1

6.3Φ

DCジャック

J2

 

1

2.1Φ

スイッチ

SW

DS-008 6P

1

フットスイッチ

電池スナップ

V1

OO6Pタイプ

1

 

可変抵抗器

VR1,VR2

100KΩ(A)

2

LEVEL用,DRIVE用

可変抵抗器

VR3

50kΩ(B)

1

 DEPTH用

つまみ

 

 

2

お好みで!

基板

2.54ピッチのユニバーサル基板をお勧めします。

ケース

ノイズ削減と加工性からアルミ製のケースをお勧めいたします。


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