那須波切不動尊金乘院
金乗院の花ごよみ
 夏
 冬
夏はいろいろな意味で起伏に富んだ季節です。五月晴れの空の下、初夏の心地よい風が吹き抜けたかと想うと、六月には梅雨空が続き、やがて七月の梅雨明けと共に白南風が吹き、太陽の光が大地を焼き尽くすような盛夏が訪れます。そんな中、草木は見事なまでに季節の変化に順応しながら、生命感をみなぎらせてさまざまな花を咲かせてくれます。夏は祭りの季節でもありますが、当山にとっても「不動尊大祭・火まつり」が行われる活気に満ちた季節であり、境内や寺院の周辺では次々と花が咲き揃い色を添えてくれます。
芍薬(しゃくやく)芍薬(しゃくやく)-平成19年5月26日撮影-
本堂へ向かう階段を上がった左手には、5月下旬の開花期になると濃紅色から紫に近い紅色の芍薬が恥じらうように、それでいて鮮やかさを主張するように咲き揃います。よく、美人の形容として「立てば芍薬、すわれば牡丹」といわれますが、多年生の草花でありながら、大輪になると木である牡丹にも負けないくらいの花を咲かせる様は一見の価値があります。以前は薬草として栽培されたようで、花名に由来するのか癪(しゃく)の薬として用いられたそうですから、気持を和らげてくれる効果があるのかも知れません。

【花の俳句】
 芍薬の花にふれたるかたさかな 高浜虚子
【花言葉】 恥じらい、はにかみ、内気
【花見頃】 5月下旬~6月中旬(2007年)
梅雨空が続く6月の下旬頃になると、紫陽花が咲き始めます。花の色が白から青紫色、藍色、紅紫色へと次第に変わるところから「七変化」とも呼ばれますが、比較的花が少ない梅雨時だけに、大柄な花が群生する様はひときわ目立ちます。当山の背後に広がり隣接する稲荷山(標高298m)の山頂付近にある東那須野公園(103,500㎡:那須塩原市沼野田和439-1)は、四季折々に花が観られる隠れた花の名所ですが、ここでも見事な紫陽花を観ることができますから、参拝の帰り道にお立ち寄りください(当山より車で3分です)。

【花の俳句】
 紫陽花や白よりいでし浅みどり 渡辺水巴
【花言葉】 高慢、移り気、冷淡
【花見頃】 6月中旬~7月上旬(2007年)
紫陽花(あじさい)紫陽花(あじさい)-平成19年6月20日撮影-
蓮(はす)蓮(はす)-平成18年7月5日撮影-
当山の参道入口手前にある蓮沼では、6月の下旬頃から蓮の花が開花期を迎えます。沼の漆黒をバックに、薄紅色の花が静かに咲く様は、まさに「聖なる花」を想わせてくれます。花托の形が蜂の巣に似ているところから蜂巣(ハチス)と呼ばれ、これを略して蓮(ハス)という花名になったようです。蓮の花は、古代エジプトでは「復活」の象徴として、中国では「花の君子」といわれ親しまれていますが、仏教では「極楽の七宝池に咲き輝く花」として、蓮華根(れんげ)といい、極楽浄土を象徴する花とされています。

【花の俳句】
 一蝶を放ちて蓮華浄土かな 富安風生
【花言葉】 神聖、休養、遠くにいった愛、雄弁
【花見頃】 6月下旬~7月中旬(2007年)
境内奥の山裾を流れる水辺には花菖蒲と並んでカラーが咲きます。花に見えるのは萼(がく)が変化した苞(ほう)の部分で、その形がワイシャツの襟(カラー)に似ているので、また、修道女の服の襟を連想させるところから、この花名が付いたともいわれています。和名では海芋(かいう)と呼ばれ、よくウェディングブーケなどに使われる純白の花は「オランダカイウ」といいます。オランダから渡来したのが最初といいますから「海を越えてオランダからやってきた芋」という意味で付けられたのでしょう。いずれにしても実に美しい白です。

【花の俳句】
 木がくれの海芋の花を仏間より 藤村克明
【花言葉】 すばらしい美、素敵な美しさ
【花見頃】 6月中旬~下旬(2007年)
カラー(別名:海芋)カラー(別名:海芋)-平成19年6月6日撮影-
花菖蒲(はなしょうぶ)花菖蒲(はなしょうぶ)-平成19年6月6日撮影-
境内奥にある不動の滝の水が流れていく、山裾の水辺に沿って、約20メートにわたり花菖蒲が植えられています。「いずれあやめかかきつばた」といわれますが、この「あやめ」を漢字にすると「菖蒲」となるように、あやめと花菖蒲は特に見分けるのが難しいといわれています。よく開催されている「あやめ祭り」の「あやめ」は、昔の人が花菖蒲とあやめを間違えて祭りの名前にしてしまったらしい、という説がある程です。当山では6月の中旬頃から咲き始めますので、その可憐な美しさをお楽しみください。

【花の俳句】
 こんこんと水は流れて花菖蒲 臼田亜浪
【花言葉】 優雅、優しい心
【花見頃】 6月中旬~下旬(2007年)
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