御堂の中で火を焚き、燃え盛る炎の中に御本尊(不動明王)をお招きして真言を唱えながら一心に諸願成就を祈る護摩供は、真言宗が秘法とする護摩法です。
柴燈護摩は、宗祖・弘法大師の孫弟子にあたる理源大使・聖宝が、日本七霊山の一つ大和峯山で修行中に柴を集めて護摩を焚き、毒蛇を退治したことが始まりとされています。
当山では、毎月28日の波切不動尊御縁日と、5日、15日、25日に護摩祈願祭を行っておりますが、とくに6月28日は波切不動尊の大祭として「火まつり」を行っており、全国各地から多くの御参拝を頂いております。荒行で知られる柴燈護摩は、古来、国家安穏、五穀豊穣、無病息災などを祈願してきた真言宗の厳修ですが、当山の波切不動尊大祭「火まつり」では、家内安全、身体健康、商売繁盛、交通安全、除災招福などの諸祈願をしております。尚、祈願のお申し込みにつきましては、下記当山関係者までお問い合せください。
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荒々しくも荘厳な真言宗の柴燈護摩法要「火まつり」のすべて[Photo説明]
①火まつりの朝:注連縄で結界が張られた道場で護摩供の開始を待つ護摩壇と波切不動尊
②法螺練行:護摩供の始まりを告げる法螺貝を吹きながら道場に向かう山伏姿の修験者たち
③法斧作法:護摩壇に向かって正面から斧が振り下ろされ護摩の薪が清められる
④法弓作法:道場の四方上空に向けて矢が放たれ五大神龍王の降臨を願い諸魔結界される
⑤法剣作法:護摩壇に向かって縦横に刀が斬られ、微かに残る邪悪の一切が除祓される
⑥誓願文:大祇師の金乗院・山主が不動明王の降臨を乞い、柴燈護摩の無魔成満を願う
⑦点火作法:本尊・不動明王の智慧の浄火を灯した松明から採火し、護摩壇に点火される
⑧白煙:柴燈護摩壇に火が入り、柴を焚く芳香を放ちながら生き物のように天に昇る白煙
⑨真言:白煙から炎に変わり燃え盛る護摩壇を前に不動明王の真言を唱える修験者たち
⑩祈願:勢い良く立ち昇る炎の中に勧請した本尊・不動明王に諸願の成就を祈る大祇師
⑪護摩木:導師により願意が読み上げられ燃える護摩壇に投じられた護摩木に祈る修験者
⑫湯加持行Ⅰ:釜の中の熱湯を笹の束で自身の体に振りかけ所願成就を祈念する大祇師
⑬湯加持行Ⅱ:炎の中、沸騰する釜の中に座り真言を唱え波切不動尊の化身となる大祇師
⑭松明行:護摩壇の火を松明に移し、低い姿勢で燃える松明を自らの行衣の袖に通す修験者
⑮火生三昧:不動明王にその身を委ね、赤々と燃え盛る炎の上を渡る大祇師
⑯火生三昧:燃え盛る炎の中におられる不動明王と一体になるべく炎に飛び込む大祇師
⑰火渡り:煩悩を焼き尽くす不動明王に家内安全、無病息災を願いながら燃え跡を渡る参拝者
⑱火伏せ:炎の中におられる不動明王に感謝しながら火を鎮める火伏せを行う高僧の修験者
⑲火渡り:護摩壇の火が鎮まり、真言を唱えながら燃え跡を素足で渡ってゆく修験者たち
⑳火渡り:修験者に続き家内安全、無病息災を願いながら燃え跡を素足で渡る信者・参拝者
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護摩は、古代インドのサンスクリット語「ホウマ」を語源としており、(火で)焼く、燃やす、という意味があります。炎の中に本尊である不動明王が住んでおられると教える真言宗で、護摩を焚くということは、さまざまな不浄や災難を焼き尽くして幸せになることを意味しています。そして柴燈護摩の残り火の中を素足で渡り歩くことは炎の中の本尊と一体になることを意味しており、このことによって本尊からの恵みにより家内安全、身体健康、商売繁盛、交通安全、除災招福などの諸願成就が頂けるといわれています。
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●福まき
信者、参拝者の火渡りが終わると、最後は多くの人に福が来るようにという願いが込められた福まきが本堂の前で行われます。番号が書かれたビニール袋に入った餅がまかれ、更なる御利益を得ようとする参拝者で盛り上がります。
運良く餅を手にすることが出来れば、もちろんそれだけで福が来ることになりますが、一通り餅がまき終わると、今度は餅に書かれた番号をもとに抽選会が始まり、清酒をはじめ数々の景品が当たる度に歓声があがり、さらに盛り上がります。